2008年07月25日

建築家モン太の日々

2.
「このごろ新築される家は、みんなよく似ているね」
河口に近いスーパーへ行く途中、助手席の妻が言った。これまた、自分と同じ事を考えている。
「建っている家が変わると、景色まで変わる」と妻が呟くように言う。
N川の河口のこの付近は、上流に豊富な森林があったことから製材所が多かった。木材を扱っていたこの地方の財閥の大きな屋敷が、堤防に沿って数百メートル置きに居座っていたものだ。その大邸宅も次第に取り壊され、数軒を残すだけとなった。その屋敷跡を業者が分譲宅地として売り出し始めた。景色はいつの間にか変わっている。海外材の使用拡大で豊富な良質の内地材の需要が激減した。そのため昔から杉や桧を扱っていた豪商も衰退の一途をたどっているのである。
 建築の設計、それも住宅の設計を20年も生業にしてきたモン太が最近になって気がついたことがある。住宅のデザインには流行がある。考えてみれば当然といえば、至極当然なことではある。洋服や自動車の色や形に流行りがあるように住宅の形にも流行があって当たり前なのかもしれない。少し前までは急勾配の屋根が流行ったかと思えば、今度は金属屋根の緩い勾配の屋根が流行る。
「家の形にも流行があるのかな」助手席の妻の顔を横目で見ながら言った。
「それを仕事にしているんじゃないの」もっともなことを言う。
「あまり、そんなこと考えたことはない。設計はケースバイケースだ」
「少しは考えた方がいいかもしれないよ」痛いところを突かれた。

banner_021.gif読んで下さって有り難う。左のアイコンを押していただけたら嬉しいです。
ラベル:豪商 流行
posted by モン太 at 05:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

人気ブログランキングへ

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。